大口環根徳公爵夫人児童醫院とQueen Mary Hospital [病院研修]

8:30 今日は、香港で最も優秀な香港大學の付属病院であるQueen Mary Hospitalの見学の予定になっている。わざわざ、そこのHand & Foot部門のチーフである、Prof. Wing(女史)が迎えに来てくれた。何と、タクシーに乗って登場されたので驚いた。自宅から私のホテル経由で病院に向かうのだそうだ。今日は大學の方で手術するのではなく、近くの小児専門病院において手術するのでそちらに向かうとのことだった。
9:00 大口環根徳公爵夫人児童醫院(DKCHと略されていた)に到着した。現在の建物は30年以上前に建てられたようである。
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この施設は、歴史があって小児の側彎症では世界的にも有名な施設らしい。実際、AO spineのfellowshipなどで日本から2人のドクター(奈良医大から)が3ヵ月と1年で研修に来ていた。Prof. Wingの話す英語はとても流暢で聞き取りやすいのだが、かなり早口で良く喋ってくれる。1つの質問に10くらい答えてくれる感じ。実際、手術中も(広東語で)かなりおしゃべりしていた。はじめに、建物内を案内してもらう。作りは古いが、随所に工夫が凝らされている感じだ。中庭はオープンスペースでゆったりと出来るので良さそうだ。手術室やロッカーは狭いし古い。しかしながら、その中では、最先端のことがなされているのだから驚きである。スタッフも概して愛想が良い(おそらく私のような見学者がかなりの頻度で訪れてくるので慣れているのだろう)。「博多通りもん」をお土産で渡したら、早速「美味しい!!」と言って食べてくれた。あっという間になくなってしまった。
10:30 この病院には、1ヶ月間の研修予定でフランスから女医さんが来ていた(El Hohmami?仮にDr.エルとしておこう)。彼女は、金曜日のcadaver workshopに来ていた。彫りの深いArabic顔なので覚えている。この病院の前には、中国のどこかで3ヵ月ほど研修していたらしい。Prof.曰くworld travelerなのだとか。さて、手術室に患者が搬入され、準備をすすめていく。こちらにも、手術準備をする専用スタッフがいた。本日の手術は、進行したRA患者のMP関節arthritisに対する、resection arthroplastyである。人工関節はこの患者には用いないとのこと(この先生はどちらかと言うと、手術に対しては保守派の印象)。変形矯正、軟部組織バランス調整で機能と整容改善をはかる予定。この方法は独特であり、亜脱臼したMP関節を整復するために、中手骨頭をresectionした後、弾力性のある吸収pinを用いてMP関節を良肢位で固定してしまう。その後に関節包や伸筋腱、腱帽様組織を軟部組織のバランス調整をしながら縫縮していくのである。
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執刀は、下の先生がされていたので、全体的に時間がかかってしまうため、途中、隣で行っていた脊椎側彎症の変形矯正の手術を見たりしながら過ごした。SEPでモニタリングしながらインストゥルメント固定を行っていた。何と、まだ若そうな女医さんがpedicle screwを刺入していたのには驚いた。休憩時間に、談笑していたそのspine surgeonとDr.エル。
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13:30 最後にProf. Wingと記念撮影もした。彼女は、香港手外科における重鎮である訳だが、とても気さくで話しやすい先生だった。
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途中で、Dr.Kenny(来月日本へexchange fellowでやって来る)も見学に訪れて来た。今日は近くのサナトリウム病院のdutyがあるらしいのだが、途中、時間をもらって来たのだそうだ。驚いたことに、香港のドクターは給料が一律らしい。だから、もっと稼ぎたい人は、private hospitalに来て手術をするのだそうだ。香港も大変なようである(とは言え、こちらのドクターはたいがいイイ車に乗っていた)。手術後にみんなでランチに行くことになった。
14:30 Queen Mary Hospitalにほど近い、中華料理屋にやってきた。ランチなので飲茶形式である。有名店らしいので美味しかったが、Kennyが次から次へと勧めてくるので、終盤はいささか閉口気味であった。
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15:30 Prof.に付いて、彼女の勤務先であるQueen Mary Hospitalにやって来た。病床数は1400床程度で、主に急性期医療をしているらしい。AO Traumaで有名な、Flankie Leungもここで働いている。病院は山の中腹に位置していて市内からは若干遠い。しかし病院からの眺めは良さそうである。
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Profのofficeを案内してもらう(秘書さんが私用にと、記念のネクタイや50周年記念の冊子などを準備してくれていた。うーむ。お土産持って来なかったのはイタいな・・・)。壁にvisiting proffesorの写真が掲げられていたが、過去に日本からも多くの教授が訪れて来ているようだ。
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16:30 一通り、院内を案内してもらう。歴史があるだけに中には古い建物をあるし、建て増しが繰り返された感じも否めないが、比較的機能的な印象を受けた。特に、職業治療(OT)の設備はしっかりしており、スタッフも優秀でProf.がかなり力を入れている分野なのだと思った。
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17:00 再びタクシーでProf.が近くの駅まで送ってくれた(私がこの後、市内散策に行きたいと言ったので)。MTRの香港駅でお別れをし、またの再会を誓った。
18:00 IFCモール(木曜にAlexと来た場所)の本屋で買い物したり、再びApple storeに寄ったりして過ごし、ぶらぶらと港の方にやってきた。MTRで帰ろうと思っていたのだが、夕暮れの海の景色が気持ち良かったので、Star ferryで九龍島の方に渡ることにする(4年前のSICOTで「隊長」達ときゃっきゃしていたことを懐かしく思い出したりしていた)。2.5HKDと安いのが魅力である。7-8分の船旅なのだがVictoria horbourから眺める香港島側のビル群は、有名な景観ではあるが、いつ見ても圧感だ。港には、豪華客船が寄港していた。
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19:30 Tsim Sha TsuiのAvenue of starsの辺りを散歩しながら、MTRに乗ってホテルまで戻った。今日も、ランチが豪華だったので夕食は一人でささやかに済ませることにした。
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